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不動産売却時の税金はどれくらいかかる?相続対策と注意点も紹介

不動産売却

不動産を相続したものの、売却を検討している方にとって、税金の仕組みはとても複雑に感じられるかもしれません。売却時には、複数の税金や特例が関わり、金額やタイミングによって納税額も大きく変わります。本記事では「不動産 売却 税金 相続対策」を中心に、相続した不動産を売却する際に注意すべき税金の基礎から、節税につながる特例、手続きの流れまでわかりやすく解説します。不安や疑問の解消に向け、一緒に確認していきましょう。

相続した不動産を売却する際にかかる税金の全体像

相続した土地や建物を売却する際には、複数の税金が関係してきます。主な税金としては、印紙税、登録免許税、譲渡所得税・住民税、加えて復興特別所得税などがあります。

まず、印紙税は売買契約書に貼る収入印紙の費用で、契約金額に応じて税額が段階的に変わります。軽減措置が設けられており、たとえば令和6年(2024年)3月31日までに作成された不動産売買契約書では、通常より少額で済むケースがあります 。

次に、登録免許税は相続登記(被相続人から相続人への名義変更)や売却による所有権移転登記の際にかかる税金で、固定資産税評価額の0.4%が基本です。一部、評価額が100万円以下の場合には免税措置があることにも注意が必要です 。

さらに、譲渡によって利益が出た場合には譲渡所得税と住民税が課されます。課税の基本となる譲渡所得は「譲渡収入金額―(取得費+譲渡費用+特別控除)」で計算されます 。

譲渡所得税には所有期間に応じた税率があり、所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり税率が低く、5年以下だと「短期譲渡所得」として税率が高くなります。また、復興特別所得税は2037年(令和19年)まで適用され、所得税額の2.1%が追加で課されます 。

以下に各税目の概要を表にまとめました。

税目 課税内容 主なポイント
印紙税 売買契約書に貼る収入印紙 契約金額に応じて税額が変動。軽減措置あり
登録免許税 相続登記や所有権移転登記時に発生 固定資産評価額の0.4%。評価額100万円以下は免税の場合あり
譲渡所得税・住民税(+復興特別所得税) 売却益に対して課税 所有期間により税率が変動。復興特別所得税は2037年まで適用

以上、相続した不動産を売却する際に関わる税金の全体像をわかりやすく整理しました。それぞれの税金が発生するタイミングや計算の要点については、次の見出しでさらに詳しくご説明いたします。

譲渡所得税および住民税の計算と所有期間の影響

不動産売却に際して課される譲渡所得税と住民税は、「譲渡所得=売却収入-(取得費+譲渡費用)」という計算式から始まります。取得費には購入時の代金や改良費、建物であれば減価償却後の価額が含まれ、譲渡費用には仲介手数料や印紙税などが該当します。取得費が不明の場合、譲渡価額の5%を概算取得費として扱うこともできます 。

税率は所有期間により、「長期譲渡所得(所有期間が5年超)」と「短期譲渡所得(5年以下)」に区分されます。所有期間の判定は「売却した年の1月1日時点」で判断されるため、売却タイミングによって税率が大きく変動します 。

区分所有期間(1月1日 기준)所得税住民税復興所得税相当合計税率(目安)
長期譲渡所得5年超15%5%約0.315%約20.315%
短期譲渡所得5年以下30%9%約0.63%約39.63%

このように、短期譲渡所得の場合は約40%近くの税率が課されるのに対し、長期譲渡所得では約20%とおよそ半分の負担になります 。そのため、売却のタイミングを慎重に検討することが非常に重要です。

取得費が曖昧で、処理に迷われる場合は「譲渡価額の5%で概算取得費とする」方法が認められており、計算に有効です 。

相続した不動産の売却で使える特例と節税のポイント

相続した不動産を売却する際、賢く節税するためには複数の特例を理解しておくことが重要です。以下に代表的な特例と活用のポイントをご紹介いたします。

特例名 主な要件 節税効果
居住用財産の3000万円特別控除(空き家特例) 被相続人が居住していた戸建てであること、耐震化または除却をしたうえで売却すること、相続開始から3年を経過する日の年末までに売却すること、売却額が1億円以下であることなど 譲渡所得から最大3000万円控除でき、税負担が大幅に軽減される
取得費加算の特例 相続税が課税された不動産であること、相続税申告期限の翌日から3年以内に売却すること 相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得が減少し節税になる

まず、「居住用財産の3000万円特別控除」(いわゆる空き家特例)は、被相続人が生前に住んでいた家屋かつ旧耐震基準(昭和56年5月31日以前建築)の戸建てであることが主な適用要件です。売却前に耐震改修または建物の除去を行う必要があり、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却し、かつ1億円以下の売却価格である必要があります。これにより、譲渡所得から最大3000万円が控除されます 。

一方、「取得費加算の特例」は、相続税が課税された不動産を対象に、相続税申告期限(相続開始から10カ月以内)翌日から3年間以内に売却した場合に、相続税の一部を取得費に加算できる制度です。取得費が増えるため、譲渡所得が減り、税負担の軽減につながります 。

これら2つの特例は、両方の要件を満たす場合でも重複して同時に使うことはできず、どちらか一方を選択する仕組みです。売却条件によっては、どちらを選ぶかで納税額が大きく異なるため慎重な判断が求められます 。

さらに、いずれの特例についても、相続後の売却時期が重要です。空き家特例は相続開始から3年を経過する日の属する年末まで、取得費加算の特例は相続税申告期限から3年以内という期限があります 。早めの対応が節税の鍵となります。

確定申告と納付スケジュール、必要な手続き

相続した不動産を売却された際、翌年の2月16日から3月15日までが確定申告の受付期間となります。これは譲渡所得税を中心とした申告が対象です。e-Taxや税務署窓口、郵送による提出が可能ですが、期日ぎりぎりの送付は避け、余裕をもって準備なさることをお勧めいたします。期限後に申告した場合、延滞税や無申告加算税が課されることがありますのでご注意ください。

税目申告・納付時期支払方法
所得税(譲渡所得税)確定申告後すぐ振替納税、電子納税、銀行・クレジット等
住民税(譲渡所得にかかる分)翌年5月以降、分割(年4回)特別徴収(給与天引き)または普通徴収(納付書)

譲渡所得に対して課される税金は、所得税と住民税があり、それぞれ納付時期と方法が異なります。所得税は確定申告後に納付が必要で、振替納税や電子納税、銀行払いやクレジットカードも利用可能です。住民税は翌年の5月ごろに市区町村から納付書が送付され、その後6月・8月・10月・翌年1月の年4回で分割納付する仕組みです。お勤めの方であれば給与からの特別徴収になることが一般的です。

確定申告にあたっては、売却・取得時の売買契約書や譲渡所得の内訳書、登記事項証明書、取得費や譲渡費用の領収書、本人確認資料(マイナンバーカード等)が必要です。活用する特例がある場合には、それに対応した証明書も添付する必要があります。書類に不備や漏れがあると申告が受理されず、余計なトラブルや税負担につながるおそれがあります。

ご自身で手続きに不安を感じられるようでしたら、税理士や専門家へのご相談をご検討ください。専門家によるサポートによって、申告書の正確な作成や適用可能な特例の確認、手続き漏れの防止などが図れます。特に取得費が不明な場合の5%ルールの適用や、相続税の取得費加算特例の選択など、煩雑になりやすい実務対応にはプロの助言が有効です。

まとめ

相続した不動産を売却する際には、印紙税や登録免許税、譲渡所得税、住民税といった複数の税金が関わります。これらの税金は発生するタイミングや計算方法が異なるため、売却前から全体像を把握しておくことが大切です。また、所有期間や取得費次第で税率が大きく変動するうえ、特例制度の活用による節税も可能です。確定申告に必要な手続きや書類も事前にしっかり準備し、少しでも不安があれば専門家に相談しましょう。正しい知識と早めの対策で、納得できる不動産売却を目指してください。

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